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2024年11月29日

浅野副学長が台湾の淡江大学と中央研究院(総統府直轄の研究所)で講演と学術報告を実施しました。

2024年11月22日(金)、台湾の淡江大学守謙国際会議センター有蓮庁(大講堂)において、同大学が各地から著名な研究者を招いて開催している熊猫講座の2024年2人目となる講師として、本学副学長の浅野和生教授による講演会を実施しました。平成国際大学は、平成13年(2001年)10月に、淡江大学との交流協定を締結しています。


●淡江大学熊猫講座にて「AIの衝撃と社会科学への影響と将来」について講演
淡江大学国際事務学部学部長の包正豪教授の司会で、許輝煌副学長隣席の元で「AIの衝撃と社会科学への影響と将来」をテーマに講演を行いました。今後のAIの発展とその社会的影響について、2023年11月にイギリスで開催された“AI Safety Summit”で示された5つのシナリオを紹介するとともに、生成AIが一般化した今日の、今後に期待されるメリットとデメリットを確認し、国際的なルールの確立の必要性を説明しました。また、教育現場におけるAIの活用とともに誤用の危険性を十分に理解する必要性を述べ、特に発達段階の児童、生徒、学生にとっては、思考力、論理構成力、想像力と創造性の涵養のためには、効率性に偏らず、手間をかけて学ぶことの重要性を忘れないように訴えました。さらに、人と人のコミュニケーションは、単なる情報伝達ではなく、人格の交流、徳性の表現に価値があり、それには場と経験の共有という、AIやICTを介さず、対面での教育がむしろ重要になっていることを指摘しました。


その後、浅野副学長は、葛煥昭学長と学長室で懇談し、熊猫トロフィーを授与されました。さらに、理事長室において、張家宜理事長と懇談して、記念の花瓶を授与されました。なお、張家宜理事長は、2002年の副校長時代に平成国際大学を訪問し、大学事務についての相互交流、意見交換を行い、佐藤栄太郎初代理事長と親しく交流する機会を持っています。その際に、佐藤栄太郎理事長から張家宜理事長の全身像彫刻作成の申し出があり、張理事長から快諾を得て、その作品は平成17年(2005年)に淡江大学に贈呈されました。現在、淡江大学美術館入り口には、佐藤栄太郎理事長の作品「旅だち」が展示されており、理事長室には、張理事長の全身像が飾られています。


●台湾政治学会30周年記念大会
11月23日(土)と24日(日)の2日間、淡江大学で台湾政治学会30周年記念大会が開催され、23日に、その国際会議において、守謙国際会議センター有蓮庁(大講堂)で、浅野副学長が「新たな地政学的情勢の下での日台間の交流と将来」と題する基調講演を行いました。会場には、初代政治学会会長で国立政治大学の劉義周先生など、台湾の政治学会の重鎮が臨席しました。淡江大学国際事務学部学部長の包正豪教授の司会で講演会は進められ、米中の対立と、ウクライナ戦争などが継続する国際情勢のなかで、台湾を取り巻く各国情勢を分析し、習近平の中国とトランプのアメリカの間で、東アジアの平和と安定はどのように実現するかを論じました。中国の圧力増大のもとで、日米台さらには韓国、オーストラリアなどの協調体制構築の重要性と、日台交流の意義の増大を指摘するとともに、従来と異なり、日米とともに日台がイコールパートナーシップで結ばれる時代になったと指摘し、その実務的な関係緊密化に期待を表明しました。


●中央研究院のシンポジウムにて研究報告
11月25日(月)と26日(火)の2日間、台湾の総統府直属の研究機関である中央研究院の近代史研究所主催で、冷戦期の日本と台湾についてのシンポジウムが開催されました。常時国際シンポジウムを開催する中央研究院としても、日本から東京大学、京都大学、早稲田大学などから17名の学者が参加、大陸中国と韓国などからも学者が参加する大規模な研究大会でありましたが、平成国際大学から浅野副学長が参加して、「国会質疑に見る中華人民共和国の国連加盟、日中国交正常化と日本の安全保障ー所信表明・施政方針演説をめぐる質疑を中心に―」をテーマに研究報告を行うとともに、別のセッションでは浅野副学長が議長を務めました。