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2026年10月06日

久保田副学長の共著論文が、国際誌Biological Journal of the Linnean Societyに掲載されました

本学・久保田耕平副学長(情報デザイン学部教授)の共著論文「The decay of premating reproductive isolation via hybridization in <i>Ohomopterus</i> ground beetles(オオオサムシ亜属における交雑による交尾前生殖隔離の崩壊)」が2026年10月3日に国際誌Biological Journal of the Linnean Societyに掲載されましたので、お知らせします。
久保田副学長を含む研究グループは、長年にわたりオサムシ類を材料とした進化研究を継続しています。この研究は、神戸大学の高見泰興教授の研究室を中心に実施されたもので、オオオサムシ亜属のマヤサンオサムシという種の雄が、種間交雑の遺伝的影響を受けると、同種の雌を配偶者として選択する性質が弱くなることを実験的に示したものです。この研究は種分化後の二次的接触によって、近縁種がどのように遺伝的影響を受けるのかを理解する上で、重要な示唆を与えるものです。久保田副学長はこの論文を含む一連の研究の端緒となる、オサムシの野外での交雑帯に関する論文を1988年に公表しています(Kubota, 1988, Kontyu, 56: 233–240)。

●論文タイトル
The decay of premating reproductive isolation via hybridization in <i>Ohomopterus</i> ground beetles(オオオサムシ亜属における交雑による交尾前生殖隔離の崩壊)

●掲載誌
Biological Journal of the Linnean Society, 149(2): blag 076 (11pp)

●著者
夏天 Tian Xia(神戸大学)
西村太良 Taira Nishimura(神戸大学)
長太伸章 Nobuaki Nagata(国立科学博物館)
久保田耕平 Kohei Kubota(平成国際大学)
曽田貞滋 Teiji Sota(京都大学)
高見泰興 Yasuoki Takami(神戸大学)

●要旨
二次的接触地域における生殖隔離の維持には、淘汰と遺伝子流動のバランスが重要である。本研究では、オオオサムシ亜属<i>Ohomopterus</i>のマヤサンオサムシ<i>Carabus maiyasanus</i> における雄の同種配偶者選択に着目し、交雑による遺伝的混合が配偶者選択を弱めるという遺伝的混合仮説と、近縁種との同所的分布によって同種配偶者選択が強化されるという生殖形質置換仮説を検証した。
配偶者選択実験の比較から、交雑の程度が高い集団ほど同種配偶者選択が弱いことが示され、遺伝的混合仮説が支持された。また、雄の選好と雌の認識される形質の双方が配偶者選択に寄与することが明らかになった。
これらの結果から、同種配偶者選択による交尾前生殖隔離は交雑によって弱まることが示唆された。一方、本種では種特異的な交尾器形態における生殖形質置換もみられ、交尾後・受精前の生殖隔離に寄与していると考えられる。本研究は、二次的接触地域における生殖隔離の進化と維持を、選択と遺伝子流動のバランスから理解する上で重要な知見を提供する。

●論文情報
https://doi.org/10.1093/biolinnean/blag076

写真の説明:マヤサンオサムシの雄(三重県志摩市)